隠せない(こともない)   -マクロからマイクロまでのアーバニズム ♯2-

今回の舞台は、いわずと知れた「神宮外苑」です。
明治天皇の聖徳を後世に伝えるために計画されたいったいです。
明治神宮の外側として「外苑」という名称がつかわれているのです。
敷地の大部分は当時、市民の資金により計画された市民に開放された芝生のオープンスペースでありましたが、宗教の法人化とともに現代にいたるまでにスケートリンクや野球場テニスコートなど有料施設が計画され始め、ほとんどの部分が経済至上主義に特化したような、一大スポーツ施設エリアとして開発されてしまったのです。



なにはともあれ、ここでは一体なにが目的で、建築が隠されることになっているのかよくわからないというところが味噌です。というか僕がどうしてか知らないだけかもしれませんが。

とにかく不思議な隠し方をしているんです。


これは敷地内にある聖徳絵画記念館です。

この建築となにかを繋いだ、または何かの方角にむかって伸びる軸線上に、かの有名な銀杏並木があるんですね。
この軸線がやっかいで、鬼門よけの方角でも、明治天皇のお墓にもぶつからないないんですね。
一度、スピリチュアル系のひとのブログで、この軸線の意図は公開できないくらいヤバイものと書いてあったのを見たことがあります。

西洋のヴィスタ(アイストップ)・アヴェニュー(軸線)に影響されて、計画された軸線ですが、スピリチュアル的ヤバさ(何のこっちゃ)をのこしていくとろなんか日本らしさが出ていていいですね。




さて、肝心の「建築を隠す」です。





これは聖徳絵画記念館の正面入り口から、軸線をながめた写真です。

















そしてこれが正面玄関の中心に立って、軸線を眺めた写真です。




なんぼのもんじゃい! 銀色の直法体に軸線上の白いビルがすっぽり隠れるんです!
法規的には同一条件ですから隣のビルと比較して、高さが低いの不思議です。後ろのビルとかみえちゃってるし。


アーなんだかスピリチュアル的にヤバくてコワクなってきますね。それが狙いでしょうか?おどかし目的の都市計画でしょうか。(なんちゃって)

銀杏並木は、軸線の風景にパースをきかせるように、銀杏の木の高さを調整していたりします。かなり凝った設計になっています。




ちなみにこのビルは、セピア絵画館というギャラリーや、お寿司やさん・不動産屋さんなどが入る、一般的な雑居ビルです。


ちなみにちなみに 聖徳絵画記念館は実寸の馬の剥製が置いてあったり(コワイです)内部では仕上げに使っている大理石に、丁寧に化石がここに埋まってますよシールが貼ってあったりして楽しいです。

外苑は、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の舞台にもなっているトコロですね。小説を書こうと思ったのもここの球場ですね。


なにはともあれ

建築は   隠せない(こともない)