ショッピングセンターがおもしろい

我買うゆえに我あり    オリビエーロ・トスカーニ

近場で最近オープンした、「アーバンドック・ららぽーと豊洲」を見学しにいく。

200近くの店舗を一つの建物に収めるためのダイナミックな構成への関心と、インテリアの可能性に関心があった。

構成の枠組みの中で、各エレメントの多様性が促進されることによって、構成が強調されるという仕組みがコールハースの住宅の非連続的な風景の連続する風景をうみだしていたけど、その逆に多様なテナントを想定して作られているであろうショッピングセンターにおいて、枠組みをどのように決定して、テナントの多様性がどのように全体の構成に働きかけているのかに関心があった。

不動産屋さんは、アウトレットモールの賃貸料で増収しているそう。デフレおつ。オフィスの空室率は上がっている。

ショッピングセンターのオープン件数は減少傾向にあり、郊外では周辺にシャッター商店街を生んでしまうという問題もうんでいる昨今。

CMの観点からいっても、より低コストでよりたくさんの機能を内包するという観点からいっても、ショッピングセンターの考え方は有効だそう。

アミューズメント施設恐怖症という強烈なバイアスのせいか感じる違和感を抱きつつも、ショッピングセンターから学ぶことはイロイロありそー。

ショッピングセンターがおもしろい

「三井ショッピングパーク・アーバンドック ららぽーと豊洲(アーバンドックららぽーととよす)とは、東京都江東区豊洲二丁目に位置するららぽーとのショッピングセンターである。2006年10月5日にオープンした。東京都江東区豊洲2丁目区画整理事業の一環として、旧石川島播磨重工業(現IHI)東京第一工場跡地であるアーバンドック内に建設された。アーバンドック ららぽーと豊洲



LAGUARDA.LOW ARCHITECTS HPより転載

船が建物にぶつかっているようなプランにはじめは驚いたが、舟形プランの曲線の凸面は移動空間と接する面の表面積を増やしているし、視覚的な働きとしては消失点をけして、見通せない空間を作っている

フィールドノート
見学日時
2010/02/21 日曜日 15:00-17:00

車道をはさんだ二棟を空中で接続する歩行用車用ブリッジは、無骨H鋼のトラス組み。

オレンジ色の表層を持つ、不定形なヴォイドがエントランス、長方形の隅を少しはずした位置にエントランスを配している。
横断歩道から斜めに移動しながら内部へと入っていく。

ファサードのスクリーンが、工場の跡地であることを暗示的に示しているように感じた。
曲げ加工H鋼のフレームにエキスパンドメタルを貼り付けた

四つ船形プランをもつテナントスペースの表層の色はそれぞれ異なっているが、内部の機能の分類を示すものではない。そのようなテナントスペースの配置の可能性を示しているようにも感じる。小さな窓から、店舗の名称のスーパータイポが除き内容を中庭に対して示している。

舟形プランのもつ曲線は、店舗同士が上下で視覚的に結ばれる吹き抜けとは対照的に先が見とおせないような空間を作っている。ふくらみのある面を表側にしているため、直線よりも移動空間との表面積が広く取れるようになっている。

舟形プランは、吹き抜けの形を複雑なものにしている。
曲線で吹き抜けを縁取ることによって、舟形のプランを内部空間においても体感できるようにしているのではないか?
そのことによって内部における裏(海側・船形・曲線)と表(エントランス側・長方形・直線)を認識できるような仕組みになっているのだろうか。

4つの舟形プランをもつブロックは、異なるつながり方をしており、内部が複雑で自分がどこにいるのかわからなくなるような感覚に陥る。
エスカレータの配置も場所ごとに異なり、複雑さを生み出している。
内部において、自分の居場所を確認するためには、マップテナントスペースとを照らし合わせる必要があった。

コノ字型のプランの内側は、2階以上はコノ字型になっており、吹き抜けを通して各フロアが視覚的につながる。天窓からの光が、一階まで落ちる。

浮世絵美術館においては、舟形プランの曲線部分は、直線を立ち上げた壁との対立性によって、強調されてサインのとしての役割をする。

最上部には駐車場スペース、駐車場がこんでいればそれを見た人は、人ごみへの嫌悪感を抱きそうなもの。

テナントスペースには塾や保険会社、キッチンスタジオなどがはいっており、集合住宅と一体的に開発された区域ならではの内容のように感じた。

コムサのテナントは、子供服スペースがおもちゃ売り場の近くにあり分離しているが、内装のテイストをそろえている。
コールハースジェネリック・シティの考え方につながるような戦略
同じであることが逆目立つ

エレベータがクロスして配置されている効用は?























構成を示す店舗スペースのアクソメ図


概要
所在 東京都江東区豊洲二丁目4番9(旧6街区)
東京都江東区豊洲二丁目1番14(旧4-1街区)
交通
最寄IC 枝川・塩浜・木場・豊洲
東京メトロ有楽町線ゆりかもめ豊洲」駅徒歩3分
敷地面積 約67,499m2
規模構造 鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)地上5階建て
延床面積 約165,037m2
店舗面積 約62,000m2
店舗数 190店
駐車台数 約2,200台
土地所有者 石川島播磨重工業株式会社
事業者 三井不動産株式会社(借地人・建物所有者)
建物デザイン 株式会社ラグアルダ・ロウ・棚町アーキテクツ(ジョン・ロウ)
ランドスケープデザイン 有限会社アースケイプ
基本設計 株式会社日本設計
実施設計・施工 大成建設株式会社