「標準的」「特異的」

「標準的」「特異的」

そもそもこの問題に取り掛かるきっかけになったのは、就職活動だった。僕が書き溜めたディテールスケッチを見て大手建設会社、設計事務所の社員さんが、「もはや設計者がこだわりのディティールを書いてもお金にならない」という事を言った事が発端になっている。僕はその言葉に言葉を詰まらせ、何もいう事が出来なかった。あーやっぱり残念だな。とも思った。
でもでも、それは違う。違う。それじゃ困る。もう少しじっくり考えてみよう。

「大した分析もなしに、非常に多くの決定が【標準】ということに基づいてなされている」

いろいろな場面で、「標準」「特異」の二極がある。アタマを整理するために書き出してみる。

ゴールドラットTOCは、既存の会計学の評価軸を捨て去ることで、問題を解決した。

僕が今来ているパーカーは「ユニクロ」=既製品。

構造設計にも、「既製品=標準」「オーダーメイド=特異」が存在する。

コルビジェの設計したサヴォア邸。サヴォア邸の一階部分のサッシは既製品。サヴォア邸自体はオーダーメード。

整理しようと思ったら混乱してきた。パーカーを例にとって考えてみよう。

そもそもパーカーという形式は、歴史を遡れば、「特異」の部類に属している。そもそも上着にフード(帽子?)をくっつけるのは不思議だ。一回も使ったことないぞ。でもついてるとカワイイ。

はじめは何かのためにくっついていた。
今は、カワイイのためについている。もちろん今も、何かのために使える。
何か=初めの目的

初めは部位「特異」であったパーカーは、その形式だけが現在?(市場?)に残り、形式は「標準」になっている?

という事から考えると。今まであった=標準 今までなかった=特異。???初めに戻ると。「特異」は開発者が生み出し。「特異」を「標準」にまで昇華するのが設計者の役割?
でもでも、開発者にニーズを伝えるのも設計者の役割。
開発をデレクションするってこと。

標準化できないと商品にならない。「標準」のスピードは半端じゃない。時は金なり。
10,000人を相手に供給するためには、ひとりひとり回答してたら日が暮れてしまうので、ばっちり「標準」って言葉で安心してもらって。OKでしょ?って感じだろう。

「この「標準」には、何十年の実績と、実験による検証のハクがついておりますよ。いかがです?抜群の信頼感ですよ。」「そうっすね」

大体、何百億円の買い物の意思決定ってこんなもんだろうか?

いま「現代」という海の荒波で、溺れている。



たとえば、マフラーひとつとってもゼロから作ろうと思ったら、蚕から育てなければいけない。

1+1+1・・・・じゃなくて。(もあるけれど)たいてい10+2+5+1000・・・・みたいになっている。(当たり前すぎるか)これを肉体労働と知的労働に分けるわけだ。

ドラッカーがでてくるわけか。マネイジメントか。????



・「標準」との食い違い

「標準」なり。「1」を作るにあったて。その「目的」なり「評価軸」ってものがあるはずで。そことの食い違いが、「脱標準」「特異」を求めることにつながる。

食い違いを感じるのが個人なのか、人類と「標準」の食い違いを発見するのか?

・相手にしている「標準」の正体を暴けってこと?


問題は、だれのためにそれをするか?で。「ワタシ」のためだと「ハァ?」となってしまう。「アナタ」の為は、「重い!」し「アナタ達」だと「エラそう!」。ってことで、「ワタシ」も「アナタ」も「アナタ達」も含めた、「ワタシタチ」なんてのがいいのかな?

最初は「ワタシ」なんだけど、イロイロ、マーケティングとか相談とかして「ワタシタチ」で頑張って提案しているものが好き。

「客観的データの組み合わせ」に語らせる能力が必要。
そうなってくるともう。「標準」「特異」なんてそうでもよくなってきた。

ここでは、「客観的データ」は標準で、「特異」は組み合わせってことになる。

もちろん完璧な「客観的データ」はなく、限界はあるので、「やや標準」。もちろん「組み合わせ」だって「やや特異」。

やっぱり、「グレーゾーン・小数点」的な考えや、「ブラックスワン」的な考え方ができないと、問題自体がまちがえてて、手の打ちようがなくなる。

「標準」ってのは、微分されたニーズ(消費者:これほしい 生産者:儲けたい)で、「特異」は積分されたニーズ(消費者:これじゃなきゃイヤ 生産者:ここは譲れないこだわり)?

とにかく「標準」を選択することを「妥協点」にしたくない。そのためにはどうゆう考えかたすればいいのかわからない。

標準:わが社の部品には ABCDE の五種類あります。この要望の条件を考慮した上で、我々はBを提案します。なぜなら・・・・・

言い回しで、客に何とでも言えるんだろうけど。
すくなくとも、「イイモノ」を作りたいと考えたら。「すべて正直に」話すほかない。

「ニーズ」次第で、どこまで「標準」で、どこまで「特異」かが決まる。このバランスの「標準」はない。

僕がほしかったのは、ハウツーだった・・・・

そんなもん。ない。条件による。当たり前かぁー