増井俊之の「界面潮流」 を読んで

kisouchi2009-01-17

増井俊之の「界面潮流」
第28回 不在問題
2008年12月 5日の記事 を読んで

本文からの抜粋

①「ボタンの数などを絞った簡潔なインタフェースの思想に気付かない人が、安直に機能やボタンを追加してしまうこともあります。機能やボタンが存在することには誰でもすぐ気付きますが、意識的に省いてある機能は気付かれにくいものです。誰かがシンプルさを追及したインタフェースを作った後で別の人が保守を受け継いだ場合、最初の設計者が苦労して省いた機能がつけ加えられてしまってシンプルさが台無しになってしまう可能性があります。無駄なものを後で追加されないようにするには、誰でもわかる形で省略の思想を表現する必要があるのかもしれません。」
②「手間をなくすことは、出来ることを増やすことに比べると地味な機能変更」

建築の設計においても①であげたようなことが起っているのではないだろうかと感じた。
コンバージョン建築を考えていく上で、プログラムの違いから生まれる機能の面で、既存の建築は何を省いていてなにが手間として残っているかということに視点を置くことで、その設計手法を俯瞰して見ることができるかもしれない。
一般的に新築よりも費用がかかるという面で下火になっているというコンバージョンであるが、省くという手法でコンバージョンすることはできないだろうか。