『具体美術宣言』 吉原治良 を読んで
1956年に吉原治良による『具体美術宣言』
・「具体美術に於ては人間精神と物質とが対立したまま、握手している。」
詩的で美しい表現で、以前読んだときからとても印象に残っていた。
・「物質は物質のままでその特質を露呈したとき物語りをはじめ、絶叫さえする。物質を生かし切ることは精神を生かす方法だ。精 神を高めることは物質を高き精神の場に導き入れることだ。」
・「美術品や建築物の時代の損傷や災害による破壊の姿に見られる現代的な美しさ」
「人工の粉飾のかげから本来の物質の性質が露呈しはじめた美しさではないか。」
どうして古いものが、歴史的な価値を持たないものですら、人をひきつけられるのかを考えるヒントになるような気がした。 論点は違えど坂口安吾の『建築私論』を思い出した。
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