『小さな図版のまとまりから建築について考えたこと』   石上純也 著

文章と図版を等価にまとめ、全体像をあいまいにとらえるということを目的にしたという。
どのプロジェクトについての文章・図なのか、とくに大きく見出しがついていない。

僕たちの世代の設計課題のプレゼンテーションはこの人のドローイング(SNAA風?)にかなり影響を受けている。

建築が書かれているというリアリティは感じないが、ドローイングはドローイングとして魅力的だと感じる。

建築、家具、植物、人、周辺がすべてフリーハンドのやわらかくたよりないタッチで描かれている。

タッチを一定にすることでひとつの世界を作り上げている。

その世界にはヒエラルキーがなく、すべてが「親近感」のようなもので結ばれている。



超高層は発展の証のようなものだが、同時に恐れを感じることもある。
技術の発展を手放しで喜べない。
建築に対する親近感は失われる。

石上純也|ちいさな図版のまとまりから建築について考えたこと (現代建築家コンセプト・シリーズ)

石上純也|ちいさな図版のまとまりから建築について考えたこと (現代建築家コンセプト・シリーズ)