石上純也 講演 「自作について」

石上さんの講演会をきくのははじめてであったが、やはりものすごい人であると感じた。

設計依頼を大きく読み替え、根本から計画を提案している、ホテルのSOHOへの転用プロジェクトは、ワンフロア改修するのではなく既存の22階だてのホテルを、一階から最上階まで階段でつないでいき、22階建てのSOHOを作り出している。
ホテルのスケール感を住宅に取り入れ、新たな住まい方を提案している。一室空間という観点から見ても、仕事スペースと自宅スペースを数階はなすことによって、それぞれが干渉しあうことがない。
建売住宅の提案も、住宅そのものよりも、敷地をいかに設定するかによって、均質な空間に変化を与える操作をしている。

KAIT工房も過剰とおもえるくらいの量のスタディをすることで、最終形を決定していくプロセスには圧巻された。
専用CADソフトによって柱すべてを、その関係性から、操作できようなソフトが開発されている。

コドモのような感性と、それを実現する大人の面を持った人物であることが感じられ、それは松井みどりさんの「マイクロポップ」の概念にも通じていると感じた。