『中層集合住宅』 建築計画・設計シリーズ 1996 市ヶ谷出版 を読んで
1996年に出版された本であるが、日本における集合住宅の初期の流れが簡潔に紹介されている点がよかった。
日本における集合住宅の第一歩は関東大震災による不燃化・戦後復興による住宅不足であり、当時設計されたプランにみられるダイニング・キッチンの考えかたはクエーカー教徒(キリスト教)の生活様式であったそうだ。
1951年DK型の食寝分離→1967年nLDK型の公私分離
1965年に3C(カー・カラーテレビ・クラー)が普及し、生活が豊かになり公私分離の欲求を満たすにいったたのだろう。
やがて量の時代が過ぎ郊外に空き地が目立ち始めると、質の向上として立地や床面積での工夫が見られるようになる。
コーポラティブハウスやフリープラン、ノーマライゼイションによるバリアフリーのシニアハウスが作られるようになり、集合住宅のあり方が多様化するようになる。
都心部における地価の高騰により、集合住宅の建設戸数は増加し仮住まい型から永住型の住まいとして日本人のくらしの中に根付いてきた。
なぜ2009年に10年以上も前に出版された本を読むことに特に意図はなく、集合住宅関係の本で図書館でぱっと手に取ったのがこの本だった。
濫読は知的消化不良を起こすというので、つつしんで本選びをしなければと反省し、本選びにおけるアーキテクチャーの再検討が必要だと感じ。
- 作者: 石氏克彦
- 出版社/メーカー: 市ケ谷出版社
- 発売日: 1996/10
- メディア: 大型本
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